アレルギーゼロの住まいをめざす

健康住宅デザイン情報局

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タグ:無垢材


去年工事致しました、和室リフォーム。
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お客様が以前から体調が悪いとの事で調査した結果、、、、
和室をクローゼット替わりにしていた為、
部屋に充満している樟脳や防虫剤が原因だとわかりました。
壁を下地から解体しましたが、作業していて気が付いたのは、
壁の中の木材にニオイがしみついているという事です。
という事は、暖房などをした時や、換気栓を回した時など、
事あるごとに壁から有害物質が出ていたという事です。
恐ろしい事です。

壁は漆喰で左官仕上げを行い、床は防虫剤がしみついた畳をやめ、
天然乾燥の無垢材フローリング、下地材を使い仕上げました。

特にここはマンションですので、規約の中にある床の遮音等級を
確保するのに苦労しました。
健康仕様の遮音マットを使いましたが、多少ニオイもありますので、
ビニールーシートで活性炭シートで防ぎました。

結果、無垢材の木のニオイはありますが、樟脳や防虫剤の嫌な
ニオイは完全にとる事が出来ました。

<BEFORE>
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<工事途中>
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<AFTER>
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各種木建材のホルムアルデヒドを測定してみました。
果たして建材によってどの程度違うのか、、、、
柳沢センサーを使って測定しました。


1.無垢フローリング ナラ ウレタンクリア塗装
2.MDF
3.アーキスペックフロアー ナチュラルウッドタイプ オーク突板
4.合板
5.杉無垢材
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スクリーンショット (94)
結果はやはり、、
合板が一番放出量が多く、次いでMDFですが、これは若干という感じ。
ウレタン塗装したものや、最近のコーティングしたフローリングでは
表面からは揮発しないようです。無垢材とほぼ同じです。
当然、無垢材はホルムアルデヒドの発生はありませんでした。

Aさん宅で先日行った定性分析。

結果が出ました。
今回の検査はVOCに限ってやりましたので、農薬類やフタル酸類は測
っていません。

しかし、異常なものが一つでました。
それはαーピネンです。 ↓


石井隆様邸報告書グラフ(JPEG)
これは通常は無垢の木から放出されるもので、木の香りのするやつで
すが、MDFやパーティクルボードからも一時的には出るようです。

そして、これは最近の空気質の検査ではよく出る事があって、
どうも、α-ピネンはアルデヒド類に変化するのではないかと言われてい
ます。


しかし、部屋を見渡す限り、その原因らしきものはありません。無垢の
フローリングを使っているのならわかるのですが、フローリングはパナ
ソニックのベルティスです。
これは表面にだけ薄く板を使っていますが、コーティングもされているし
とてもじゃないけど考えにくい。

外部においてある木材かなとか、いろいろ考えましたがそれも考えにくい。

そこで、床下を点検してみる事にしました。
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さすが築一年目できれいですが、そのものすごい木の香りに圧倒されました。!
まちがいなく、αーピネンの原因は床下でした。
ここに使っている大引きが杉で香りがすごい!

しかし、なんでこうも匂いが籠るのか。
原因は基礎上にパッキンをつけて換気している、基礎パッキン工法ですが、
どうも外部の基礎モルタルの仕上がうまくなくて、換気スリットを塞いています。
その為、床下に空気が籠るようです。

空気の循環がうまくできてないようですね。

それと、部屋内も実験してみました。
煙で風の流れを確認してみました。
結果、一つ分かった事は、どうもコンセントの差込口から空気が流入している
という事。手をかざしてみても冷たい空気があたりますし、結構流れてきている
んですね。特に第三換気法を行っている場合、壁や床下内部の汚染空気が
ここから入ってくるのでしょう。

コンセントは閉じるキャップみたいのがあるし、これをつけるべきですね。



αーピネンだけが全ての原因とは断定はしませんが、
とりあえず、床下の空気を循環させるパッキン工法専用の換気扇をつける
か検討です。
 

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